つまり「重要だけど緊急でない」案件に取り組むかどうか

とにかく「重要だけど緊急でない」案件に取り組むことができるか、いや、自分で自分に取り組ませることができるか、ということが大切だと考えさせられた本。(書評や本の解説をするつもりはありません。でも「なるほど〜」と思った本のことを私なりに考えてみます。)

現在バイアスの図。

まず私が読んだ本はこちら↓

「行動経済学の使い方」大竹文雄著 岩波新書

頭の中でモヤモヤと気になっていた「行動経済学」。ザックリでもいいから1冊読んでみようと思い購入した本。ちなみに読んだ後に気付いたのですが、この著者である大竹文雄さんは以前Eテレのオイコノミアという番組によく出てた人です。なんとなく嬉しくなりました。

ナッジ Nudge とは

リチャード・セイラーという人がおっしゃるには「選択を禁じることも、経済的なインセンティブを大きく変えることもなく、人々の行動を予測可能な形で変える選択アーキテクチャーのあらゆる要素を意味する」だそうです。これ、私は何度読み返してもよくわかりませんでした。

「軽く肘でつつく」という意味の英語Nudge。

私は本を読んでこのように解釈しました。「行動経済学のノウハウを、生活や仕事など、社会のいろんなことに『いい感じ』で応用すること。」

『いい感じ』を強調したのは、逆の言葉もあるからです。私利私欲のためなど、行動経済学を悪用したものをスラッジ sludge と言うそうです。「それってナッジだよね!」「いやスラッジだよ!」なんていう評価に常にさらされるので、迂闊なことはできません。

仕事や社会問題の解決

行動経済学のノウハウはさほど、難しくありません。「行動経済学の使い方」の第一章をざっと読めばフムフムという具合にわかります。ポイントは、経済だけに使われると思っていたそのノウハウが、それ以外のあらゆることにも応用できそうだ、ということです。

そしてその事例をこの書籍ではいろいろと紹介しています。「ダイエット」「タクシー運転手」「プロゴルファー」「女性の取締役」「医療」などなど。経済以外のこともたくさん。

人間の活動は、不合理なことだらけ。それをうまい具合にサポートできればいいな!ということです。

どんな問題、どんなサポート

行動経済学が『いい感じ』に応用できるものは、ザックリ言ってしまうと、つまり「重要だけど緊急でない」案件です。

例えば、夏休みの宿題を、夏休みが終わる1週間前から焦って取り掛かる。人によっては、「夏休みの宿題は、夏休みが終わってから取りかかるものだ」と言い張る人もいます。ギリギリになって焦って苦しい思いをしているときに「あ〜。毎日コツコツとやっておけばよかった。。」と後悔したことのある人は多いと思います。

それが大人になると、メタボ対策(ダイエット)、老後の貯蓄など、もっと長期間に渡る宿題が待っているのです。

人間は先延ばしの生き物。(行動経済学では「現在バイアス」という)

これにナッジを応用すれば、『いい感じ』になるのではないかと。

つまり全部それじゃないか?

行動経済学の応用できそうな案件を見ていると、結局世の中「先延ばしできるものを先延ばしにしている」というのがすべての問題の根源なのではないかと思ってしまいました。もしナッジという考え方が世の中に浸透し始めたら、またひとつ、人類は進化を遂げます。

いやその前に、今日も大福餅を食べてしまった私。それくらいのことなら、もっと自制できるはずなんだが!!

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